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IN Cell User's Day 2010 講演要旨

IN Cell Analyzer 1000を用いた細胞老化プロセスの定量化解析

九州大学大学院農学研究院 片倉 喜範

ヒト正常線維芽細胞は、継代数の増大や様々なストレス(酸化ストレス、DNA損傷、炎症性サイトカイン)への暴露に伴い細胞老化の表現型を呈するようになる。細胞老化の表現型とは、細胞形態の扁平・肥大化、細胞老化マーカーとされている酸性条件下でのβ-ガラクトシダーゼ活性の増強(Senescence-associated β-galactosidase:SA-β-Gal)、ストレス性MAPキナーゼp38の活性化、リポフスチンの蓄積、老化特異的なヘテロクロマチンの形成(Senescence-associated heterochromatin foci:SAHF)及び細胞老化関連因子(CDKインヒビターp21、p16等)の発現増強などである。これまで、ヒト正常線維芽細胞のような接着細胞を用いて細胞老化研究を遂行していく際には、これら細胞老化マーカーの定量的判断が非常に困難なものであった。それでも、細胞サイズ、リポフスチンの蓄積、p38の活性化等に関しては、フローサイトメーターを用いた解析の報告もあるが、細胞の剥離に伴うそれぞれの活性の変化は予想もできず、また同じ細胞から経時的にデータをとり続けていくことも不可能であり、解析手法のブレークスルーが期待されていた。

そこで本研究では、TIG-1細胞をヒト正常線維芽細胞のモデル細胞として用い、その老化に伴う、細胞サイズの増大、SA-β-Gal活性の増強、細胞内酸化ストレスの増大、MAPキナーゼp38の活性化を、IN Cell Analyzer1000を用いることで定量的に解析を行った例を紹介する。

細胞老化研究における有用性はもちろんのこと、接着細胞を用いて定量化データの取得を望んでいるような場面では、IN Cell Analyzerはこれまでにない強力なツールとなり得るものと考えられる。


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