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セルアレイチップを用いたキナーゼネットワーク可視化解析システムの構築とローカリゾミクス研究への応用

村田 昌之
東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻 生命環境科学系 教授

我々は、細胞内オルガネラの形態変化やタンパク質の局在の攪乱によって誘起される様々な生命現象・病態発現のメカニズムに興味を持ち研究を進めている〔ローカリゾミクス研究〕。本発表では、当研究室で開発した「セルアレイチップ作成・アッセイ自動化装置」と「セルアレイチップ自動可視化システム」を活用したHigh Contents Screening法を利用し、細胞内でのタンパク質局在の攪乱を誘起するキナーゼネットワークを効率よく探索する汎用性の高い可視化解析システムを構築したので紹介する。本解析システムは、細胞内でのタンパク質局在の変化や攪乱情報を指標に、その変化・攪乱を誘起するキナーゼセットをヒトキナーゼsiRNAライブラリー(約780種類)を用いて網羅的に可視化スクリーニングするものである。次に、絞り込まれたキナーゼセットを、公表されている疾患関連のDNAチップ解析データと照らし合わせることにより、タンパク質局在の攪乱に起因する疾患を抽出して疾患の原因となるタンパク質局在の攪乱メカニズムに展開する。本解析システムを用い、リソゾーム酵素の輸送受容体(カチオン非依存性?マンノース6リン酸受容体:CI-M6PR)の細胞内局在の攪乱に関わるキナーゼセットを同定し、それらキナーゼ活性低下を示す疾患としてアルツハイマー病を抽出することができた。同定されたキナーゼについてキナーゼ活性の低下と異常アミロイドタンパク質の分泌([Aβ42分泌量/Aβ40分泌量]比)を解析した結果、確かに分泌量比の上昇が確認されアルツハイマー病との関連性が示唆された。タンパク質局在の攪乱メカニズム解析のため、当研究室が独自に開発している「セミインタクト細胞アッセイ」と蛍光デジタルイメージング法をカップルさせた「単一細胞内のタンパク質・膜動態可視化解析システム」についても紹介する。

略歴

(京都大学理学博士修得)
昭和57年3月25日 京都教育大学教育学部特修理学科 卒業
昭和63年3月23日 京都大学大学院理学研究科 修了
平成元年3月16日~平成8年6月31日 京都大学理学部 生物物理学教室/量子生物学講座 助手
(インフルエンザウイルスの細胞内侵入・エンドサイトーシス機構の研究)

その間、平成5年7月から平成7年2月までドイツ・ヨーロッパ分子生物学研究所(EMBL)Kai Simons博士のもとへ客員研究員として留学。
(極性細胞内の小胞輸送機構の研究)

平成7年2月から同年6月までアメリカ合衆国・カリフォルニア大学バークレー校 Randy Schekman教授のもとへ客員研究員。
(小胞体からの輸送小胞budding機構の研究)

平成8年7月1日~平成15年4月30日 岡崎国立共同研究機構 生理学研究所 助教授

平成12年2月1日 同機構 統合バイオサイエンスセンター・助教授(生理学研究所兼務)
(細胞内オルガネラ形態形成、小胞輸送機構の可視化解析に関わる研究。セミインタクト細胞アッセイのための光学顕微鏡システムの開発)

平成15年5月1日~現在 東京大学大学院・総合文化研究科 教授
(セミインタクト細胞アッセイ系を駆使した細胞内高次生命現象の可視化解析システムの開発とその創薬支援システムへの応用研究)

関連論文・総説

  1. Kano, F., Takenaka, K., Murata, M. (2005) Reconstitution of Golgi disassembly by mitotic Xenopus egg extracts in semi-intact MDCK cells. in Methods in Molecular Biology (X. Johne Liu ed.) 357-365
  2. Kano, F., Kondo, H., Yamamoto, A., Kaneko, Y., Uchiyama, K., Hosokawa, N., Nagata, K., Murata, M. (2005) NSF/SNAPs and p97/p47/VCIP135 are sequentially required for cell cycle-dependent reformation of nthe ER network. Genes to Cells, 10:989-999.
  3. Kano, F., Kondo, H., Yamamoto, A., Tanaka, A.R., Hosokawa, N., Nagata, K., Murata, M. (2005) The maintenance of the ER network is regulated by p47, a cofactor of p97, through phosphorylation by cdc2 kinase. Genes to Cells, 10:333-344.
  4. Kano, F., Tanaka, A.R., Yamauchi, S., Kondo, H., Murata, M.(2004) Cdc2 kinase-dependent disassembly of endoplasmic reticulum (ER) exit sites inhibits ER-to-Golgi vesicular transport during mitosis. Mol. Biol. Cell. 15: 4289-4298.
  5. Ichinose, J., Murata, M., Yanagida, T., and Sako, Y. (2004) EGF signalling amplification induced by dynamic clustering of EGFR. Biochem. Biophys. Res. Commun.. 324: 1143114-1143119.
  6. Uchiyama, K., Jokitalo, E., Lindman, M., Jackman, M., Kano, F., Murata, M., Zhang, X., and Kondo, H. (2003). The localization and phosphorylation of p47 are important for Golgi disassembly-assembly during the cell cycle. J Cell Biol. 161:1067-1079.
  7. Tanaka, A.R., Abe-Domae, S., Ohaashi, T., Aoki, R., Morinaga, G., Okuhira, K., Ikeda, Y., Kano F., Matuo, M., Kioka, N., Amachi, T., Murata, M., Yokoyama, S. and Ueda, A. (2003) Effects of mutations of ABCA1 in the first extracellular domain on subcellular trafficking and ATP binding/hydrolysis. J. Biol. Chem. 278:8815-8819.
  8. Uchiyama, K., Jokitalo, E., Kano, F., Murata, M., Zhang, X., Canas B., Newman, R., Rabouille, C., pappin, D., Freemont, P. and Kondo H. (2002). VCIP135, a novel essential factor for p97/p47-mediated membrane fusion, is required for Golgi and ER assembly in vivo. J. Cell Biol. 159:855-866.
  9. Kano, F,, Sako, Y., Tagaya, M., Yanagida, T. and Murata, M. (2000). Reconstitutionof brefeldin A-induced Golgi-tubulation and fusion with the ER in semi-intact CHO cells. Mol. Biol. Cell, 11: 3073-3087.
  10. Kano, F., Takenaka, K., Yamamoto, A., Nagayama, K., Nishida, E. and Murata, M.(2000) MEK andCdc2 kinase are sequentially required for Golgi disassembly in MDCK cells by the mitotic Xenopus extracts. J.Cell Biol., 149: 357-368.
  11. 加納ふみ、村田昌之 (2005) セミインタクト細胞アッセイ系の構築 実験医学、vol. 22(No.16) pp2307-2311.

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