検索のヘルプ

Location:ホームHot Newsトレーニング/セミナー/シンポジウム情報

IN Cell User's Day 2012 講演要旨

肝臓再生機構の分子細胞生物学的解析

東京大学分子細胞生物学研究所 宮島 篤

プロメテウスは肝臓が再生能力を持つこと示すギリシャ神話であり、肝臓の再生能力は古くから知られている。また、この強い再生能力により生体肝移植が可能である。肝臓の上皮系細胞である肝細胞と胆管上皮細胞は共通の前駆細胞に由来するが、肝臓再生にはこの前駆細胞が関与する機構と残存細胞の増殖による機構がある。

DDCなどの薬剤や胆管結紮による肝障害では門脈周囲に肝前駆細胞が出現することが知られている。この肝障害からの再生においては、門脈周辺にThy1陽性の間葉系細胞が増殖してFGF7を産生することで肝前駆細胞の増殖を促進することがFGF7ノックアウトマウスおよびトランスジェニックマウスを使った研究により明らかとなった。

一方、マウスやラットの肝臓を外科的に70%切除する部分肝切除(PHx)では、残存する組織が2週間以内に元の大きさに戻ることは古くから知られており、残存肝細胞が平均1.6回程度分裂することで元の大きさに戻ると考えられてきた。しかし、我々は生体肝臓において肝細胞をランダムに遺伝的にマークしてその運命を追跡する方法およびイメージングサイトメーターを用いて肝細胞の大きさを定量的に解析することにより、従来の肝再生モデルを大きく変える結果を得た。すなわち、70% PHxからの肝再生の初期においては、肝細胞の肥大により肝重量が増加すること、また再生における肝細胞の平均分裂回数は0.7回程度であった。すなわち、従来のモデルに反して、70% PHxからの肝再生では肝細胞の肥大と分裂が同程度寄与することが明らかとなった。さらに、30%PHxでは肝細胞の分裂は起こらず、肝細胞の肥大のみが誘導されることが判明した。以上の結果から、PHx後の肝再生では肝細胞の肥大がまず誘導され、肥大だけでは代償できない場合に細胞分裂が誘導されることが示された。また、再生過程においては、肝細胞は倍数性の増加と核数の減少を伴う細胞周期制御を受けることが明らかとなった。

本講演では、分子細胞生物学的な解析により明らかになった肝臓再生における肝細胞の動態について紹介する。


お問合せフォーム
※よくあるお問合せとご回答(FAQ)は「こちらで»」ご覧いただけます。
※ファイルを添付してのお問合せは、お手数ですが「Tech-JP@ge.comまでメールにて」お問合せください。
お問合せ内容[必須] お名前[必須]  

注)機種依存文字(①、② など)は使用できません。
大学/企業名[必須]
E-mail[必須]
電話[必須] - - (内線
ご記入いただく個人情報は、当社製品・サービスの提供及び販売促進、当社製品に関する情報の収集・分析及 び提供、新製品・新サービスの研究開発等並びに市場調査のために利用します。当社は個人情報を業務委託 先に預ける場合がありますが、個人情報の取扱いに関する法令、国が定める指針その他の規範に従い、委託先 に対する必要かつ適切な監督を行います。個人情報に関するお問い合わせは個人情報相談窓口(042-5855111:平日午前10時~午後5時)にて承ります。 GEヘルスケア・ジャパン株式会社 個人情報管理責任者
個人情報保護に対する基本方針