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バイオダイレクトメール vol.26 Technical Tips
<アポトーシス細胞を検出する>

アポトーシスはプログラムされた細胞死で、細胞の分裂や増殖に深くかかわっています。アポトーシスの研究は、細胞が大小の小体に断片化するという形態的に特異な細胞死の発見がきっかけとなり、今日まで発展を遂げてきました。形態的な特徴の他にホスファチジルセリンの細胞表面への露出、ミトコンドリアメンブレンの脱分極化、特定の細胞内タンパク質の切断や分解、クロマチンの凝縮、核の断片化、細胞膜の透過性の変化、細胞の収縮などの現象が起こることが分かってきました。これらの現象はアポトーシスの過程で段階的に観察することができます

アポトーシスを起こしている細胞を検出する方法として、顕微鏡による形態的な観察が挙げられます。最も単純な手法ですが、習熟を必要とし、時間・労力も消費します。これに代わる手法として、細胞内・外で生じる現象を生化学的に検出することでアポトーシス細胞を検出する方法が一般的になっています。以下にその代表的な手法をご紹介します。

細胞膜の変化を利用した手法

アポトーシス細胞では細胞膜の構造が変化します。生細胞では膜の内側に存在するホスファチジルセリンがアポトーシス細胞では膜外側に移動します。この現象はホスファチジルセリンと特異的に結合するAnnexin Vを使用して検出することができます。また、後期のアポトーシス細胞では膜の透過性が変化し、生細胞の膜は透過できない核染色試薬、7-AAD(7-amino-actinomycin D)が透過できるようになります。

アポトーシス特有の酵素活性を利用した手法

カスパーゼ酵素群はアポトーシスの各過程の進行に中心的な役割を果たします。このカスパーゼの阻害剤であるSR-VAD-FMK(sulforhodamine-valyl-alanyl-aspartyl-fluoromethylketone)を蛍光標識して活性カスパーゼの有無を検出します。SR-VAD-FMKには細胞膜透過性があるため、細胞内に活性型カスパーゼが存在すると結合して細胞内にとどまります。活性型カスパーゼがない場合は細胞外に排出されます。この原理を利用し、アポトーシスを起こした細胞を検出できます。

核の断片化を利用した手法

アポトーシスを起こした細胞のもっとも特徴的な性質は核の断片化です。ヌクレアーゼにより50~300kbのフラグメントに断片化されます。したがって、アポトーシス細胞からDNAを抽出し電気泳動を行うとはしご状の断片が観察できます。この断片の3'末端にTdT(terminal deoxynucleotidyl transferase)を用いてBr-dU(bromo-deoxyuridine)を取り込ませます。次に蛍光標識した抗Br-dU抗体を反応させることでアポトーシスによって生じたDNA断片を特異的に検出できるようになります。


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