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ヒトウイルスワクチン用ウイルスの精製
ヒトインフルエンザワクチン

ワクチンおよびベクターの精製技術 - 目次


インフルエンザ

インフルエンザは主に上気道を侵すウイルスが原因です。通常約1週間続き、この感染は高熱、頭痛および激しい倦怠感の突然の発症、乾性咳、咽頭痛ならびに鼻水が特徴です。多くの人は薬物治療なしで回復しますが、幼児、高齢者およびある特定の健康状態にある人にとっては、インフルエンザは深刻なリスクを有しています。このような集団においては、感染は基礎疾患に対する重症の合併症、肺炎および死を招くことがあります。

インフルエンザは季節的な流行性を示し世界中に急速に広がり、その結果、病院や医療費の面で無視できない経済的負担となるだけでなく、経済全体の生産性も低下します。

年に1回のワクチン接種はインフルエンザ予防および流行の影響を減らす主な対策となっています。様々な型のインフルエンザワクチンが入手可能で、60年を超えて使用されています。ほとんどのワクチンはいまだに孵化鶏卵内で製造されていますが、大流行時に起こりうる卵不足や卵アルブミンに対するアレルギー反応のリスクが懸念されるため、代わりに哺乳類細胞培養系の導入が増えてきています。このような系はFDAやEMEAが課す高い安全性要件をより確実に満たすこともできます。

精製ストラテジー

ヒトインフルエンザウイルス粒子は他のウイルスと同様にタンパク質やペプチドなどの分子よりも非常に大きく、この特徴を利用して培養液からウイルスを分離することができます。技術的には、限外ろ過などの膜分離およびゲルろ過(サイズ排除)といったクロマトグラフィーによる分離が用いられます。両方を組み合わせたインフルエンザワクチン向けのダウンストリームプロセスが開発されています。

精製プロセス

図3に基本的な精製プロセスをまとめました。ウイルス含有Vero細胞培養上清を、遠心およびデプスフィルターによるろ過を用いて精製用に調製します。

プロセスの流れ
図3. 限外ろ過とクロマトグラフィーを含むシンプルなダウンストリームプロセスで、規制要件を満たす純粋なウイルスを回収

この処理をした上清を、GEのホローファイバーカートリッジを用いた粗精製し、その後、ホローファイバーカートリッジを用いた限外ろ過で濃縮します。次にウイルスを含む濃縮液をSepharose 4 Fast Flowを用いたグループ分画モードのゲルろ過で精製します。ヒトインフルエンザウイルスは排除体積に溶出されます(図4)。低分子のDNAやタンパク質などの宿主細胞由来物質はアイソクラティック溶出では移動が遅く、後の方に溶出されます。

グループ分画のデータ
図4.Sepharose 4 Fast Flowによるグループ分画で排除体積に溶出されるヒトインフルエンザウイルス

最終精製は陰イオン交換体であるQ Sepharose XL virus licensed*を用いて行います。インフルエンザウイルスは素通りし、DNAや他の負に荷電している宿主細胞由来物質はカラムに結合します(図5)。

陰イオン交換クロマトグラフィーのデータ
図5.Sepharose 4 Fast Flowによるグループ分画ステップで回収した排除体積をQ Sepharose XL virus licensedを用いて陰イオン交換クロマトグラフィーで精製

ホローファイバー膜カートリッジによる2回目の限外ろ過/ダイアフィルトレーションにて、最終濃縮および製剤化を行います。表1の結果から、精製ウイルスは規制要件を満たしていることがわかります。

精製したウイルスの品質を示す表
表1. ヒトインフルエンザウイルスの品質

コメント

この精製方法はすべてスケールアップが可能です。クロマトグラフィーカラムおよびメンブレンカートリッジは定置洗浄(cleaning-in-place)が可能で、プロセス全体は1~2日で終了します。さらに、ウイルスワクチンに適した工程になっています。オープンチャネルのホローファイバークロスフローメンブレンにより、低い剪断力で緩やかに処理ができます。

また、ヒトインフルエンザウイルスはクロマトグラフィーカラムに結合せずに素通りするため、このプロセスは壊れやすい粒子に非常に適しています。インフルエンザウイルスのいずれの株にも適用でき、ウイルス精製のジェネリックな手順として採用できます。

次へ(ヒト・動物の遺伝子治療用およびDNAワクチン用プラスミドDNA)


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