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分光倶楽部 マスターへの道 第4回

「マスターへの道」コーナーでは今日から気軽に実践していただけるような、分光光度計のちょっとしたコツをご紹介いたします。

濁度測定の落とし穴!

全く同じ大腸菌懸濁液なのに、分光光度計によって異なる値が出るのはなぜ?

測定に使用する分光光度計の機種が変わると得られる値が驚くほど変わる場合があります。
今回はその理由を概説します。

大腸菌などの濁度測定での結果は吸光度(Absorbance)を使用せず、600 nmでのOD値が0.6とか、0.6ODと表現します。600 nmでの吸光度を測定しているのではありません。
では大腸菌の濁度測定にあたり、分光光度計では何を検出しているのでしょうか?

AbsorbanceとODの違い

吸光度(Absorbance)および、OD(Optical Density、光学密度、光学濃度)は、透過率(特定の波長の光がサンプルを通過する割合)の対数をとって正数としたものと定義されます。
吸光度(Absorbance)は、特定の波長の光がサンプルにどのくらい吸収されたかを示す尺度のため、光の散乱のないサンプルの測定でのみ使用されます(図1)。

吸光度については、第一回 分光倶楽部基礎講座で詳述しています。

一方、光学密度(OD)は、光の散乱の有無は問題にせず、測定した透過率から機械的に上記の定義で計算されます。

濁度の表示はなぜOD?

大腸菌のように、不溶物の懸濁溶液の場合、測定される光の強さ(透過率)は、溶液中の物質による光の吸収を示すものではありません。
サンプルにあてた光は、溶液中の粒子によって散乱するため、測定して得られる光の強さ(透過率)は、検出器に入る散乱光の割合を示します(図2)。
そのため、光の散乱のない系で定義される吸光度ではなく、ODで結果を表示します。

機種間でODの値が異なる理由

濁度の測定では、溶液中の粒子によって光があらゆる方向に散乱し、サンプルを通過した光の量を検出器で測定します。光の散乱の度合い、方向により、通過する光の量が大きく変わります。
そのため、スリット幅や検出器までの距離、寸法などの装置の構造に依存して異なる値が出ます(図2、3)。

図1

通常の吸光度測定の例

サンプルが光の進む方向を変えることはありません。
したがって、スリット幅や検出器の寸法が異なっても、入射光と検出器にとどく光の量の比 (=吸光度) は変化しません。


 

図2

図1 と同じ構造の装置で、不溶物で懸濁したサンプルを測定した例

入射光はサンプル中の粒子によりあらゆる方向に散乱され、その一部が検出器に到達します。


 

図3

図2 と同じ懸濁サンプルを、スリット幅と検出器の寸法が異なる装置で測定した例

図2 と図3 とでは、検出器に到達する光の量が異なるため、同じサンプルでも図3 では図2 より低い測定値が得られます。この差違を係数設定することにより補正します。


 

異なる菌体、サンプルの濁度は?

異なる菌体、サンプルでは、粒子経や粒子の表面状態などの違いにより、光の散乱の仕方も変わります。
そのため、機種間の差違の度合いも変わります。

機種間の濁度測定値の補正値は、サンプルごとさらには培養細胞の生物種と培地の組合せごとに設定する必要があります。培養条件の違いにより、細胞表面の状態が変化する可能性があるからです。分光光度計の機種を変更しても継続性のあるデータを得るために、変更前後の機種で実サンプルを測定し、測定値を記録・保管して利用することをおすすめします。


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